クレジットカードのショッピング枠を現金化する手法で高金利の融資をしたとして、警視庁生活経済課などは5日、東京都板橋区仲宿、元貸金業者で飲食店経営、橋本幸治容疑者(41)を出資法違反(高金利の受領など)容疑で逮捕した。業者側は商品売買を装うことで融資ではないとしていたが、警視庁は商品はほぼ無価値で実質的貸し付けと判断した。カードの現金化業者摘発は全国初という。
逮捕容疑は、10年3月~今年1月、千葉県浦安市の男性(49)ら4人にネックレスやブレスレットの売買を装って現金を貸し、法定金利の最大23倍となる計約70万円の利息を受け取ったとしている。
生活経済課によると、橋本容疑者は「逮捕されると思っていなかった」と否認しているという。商品とされたネックレスなどはおもちゃで、実質的価値は30~120円だった。
橋本容疑者は、クレジットカード決済代行会社と契約、インターネットのサイトでカード現金化が違法ではないとうたって顧客を募集。顧客から、カード番号などを聞き、融資希望金額に応じた手数料を引いた額をキャッシュバックとして融資。商品代金としてカード決済代行会社に現金を請求、顧客にはほぼ無価値のおもちゃなどを送っていた。06年7月から約750人に計約4億3000万円を実質的に貸し付け、約8000万円の利益があったという。
日本クレジット協会などによると、カードの現金化業者は、改正貸金業法が成立した06年以降、消費者金融などに代わり急増。売買取引の形を取っているとして貸金業法の規制対象にならないとされてきた。